月刊VS Code通信(2025/5月号)
今月も Visual Studio Code の新バージョンがリリースされたので、リリースノートを見ていきましょう。
目次
新バージョンのリリース情報
Visual Studio Code のバージョン 1.100 がリリースされました。
主なリリース内容
変更点
変更内容
Instructions ファイル機能の強化
コードルールを Markdown で設定し、自動適用や端末間の同期、内容説明の追加が可能に。
Prompt ファイル機能の強化
チャットリクエストを Markdown で作成し、実行モードやツールの指定、即時実行に対応。
エージェントモードの編集速度向上
OpenAI と Anthropic の新しい編集手法に対応し、大規模ファイルでも高速な編集が可能に。
チャットの標準モデルを GPT-4.1 に変更
チャットの標準モデルが順次 GPT-4.1 に切り替わり、モデルスイッチャーで変更も可能に。
#githubRepo ツールによる GitHub 検索
エディタで開いていないリポジトリのコードも、#githubRepo ツールで直接検索可能に。
#extensions ツールによる拡張機能検索
チャットからマーケットプレイスの拡張機能を検索し、結果から直接インストール可能に。
エージェントモードで自動修正提案
編集で生じたエラーを自動検出し、修正提案まで実行可能に。設定で無効化も可能。
インラインチャット V2 の導入(プレビュー)
より高度な編集ロジックを採用し、文脈理解と編集精度が向上。軽量な UX への切り替えも可能に。
フローティングウィンドウの新モード追加
フローティングウィンドウにコンパクト表示と「常に手前に表示」モードが追加され、操作性が向上。
その他の詳細なリリース内容については April 2025 (version 1.100) をご覧ください。
今月のピックアップ
『生成 AI を活用した開発は、使い始める段階から、より深く使いこなす段階へ』
今回のアップデートでは、エージェントモードの自動修正提案と Prompt ファイル機能の強化が大きな注目ポイントです。これらをうまく組み合わせることで、日々の開発作業がよりスムーズかつ再現性の高いものになります。
エージェントモードの自動修正提案で手戻りゼロへ
エージェントモードでコード編集を行った際、新たなエラーが発生しても、AI が即座に検出し、修正提案まで行ってくれるようになりました。
- 例:「この関数を非同期にして」と依頼すると、必要な修正だけでなく、発生したエラーへの対処まで一気に進めてくれます。
- 設定:
github.copilot.chat.agent.autoFix
でオン/オフの切り替えが可能。
さらに使いこなすポイント
- 大規模リファクタリングや共通処理の適用など、連続した変更作業に特に有効です。
- Instructions ファイルでプロジェクトのコーディングルールを定義しておくと、より期待通りの修正が行えます。
Prompt ファイルを活用して作業を標準化
あらかじめ決まったプロンプトを Markdown で定義できる Prompt ファイル機能も強化され、作成したプロンプトは即時実行できるようになりました。
- 例:「リリースノートを生成して更新する」「セキュリティレビューを実行する」など、頻繁に行うタスクは Prompt ファイル化しておくことで、何度でもワンクリックで実行可能に。
mode
やtools
ヘッダーを使用すれば、プロンプトに適したチャットモードや利用ツールも指定できます。
さらに使いこなすポイント
- プロジェクトやチームごとによく行う作業は Prompt ファイルにまとめておくと、誰でもすぐに同じ作業を再現できるようになります。
- Prompt ファイルはコマンドパレットやチャット画面からすぐに実行できるため、作業効率の向上に直結します。
おわりに
エージェントモードの自動修正で手戻りを減らし、Prompt ファイルで定型作業を自動化する。この 2 つを組み合わせることで、単純作業から解放され、よりクリエイティブな開発に集中できる環境が整います。ぜひこの機会に、これらの新機能をプロジェクトに取り入れてみてください。