月刊VS Code通信(2025/4月号)
今月もVisual Studio Codeの新バージョンがリリースされたので、リリースノートを見ていきましょう。
余談ですが、今月からリリースノートのUIが変わりましたね。
目次
新バージョンのリリース情報
Visual Studio Codeのバージョン1.99がリリースされました。
主なリリース
変更点
変更内容
Agentモードが安定版VS Codeで利用可能に
設定 chat.agent.enabled
でAgentモードを有効化可能に。今後は自動で有効になる予定
AgentモードでMCPサーバーをサポート
AIモデルが外部ツールやデータと連携できるMCPサーバーに対応。ファイル操作やDBアクセスなどが可能に
エージェントモードに思考ツール追加
モデルがツール呼び出しの間に「考える」プロセスを挟めるように。複雑なタスクでの性能向上に貢献(実験的)
エージェントモードにフェッチツール追加
Webページの内容をローカルにキャッシュしてプロンプトに活用可能に。自動選択されるが明示的利用も可能
エージェントモードに使用状況ツール追加
参照・実装・定義の情報を統合的に取得可能。クラスや関数の関係性把握やリファクタリング時に便利
エージェントモードでワークスペース作成機能(実験的)
新しい開発用ワークスペースをエージェントモードで初期化・構成・起動可能に
インスタントインデックスによる高速検索
GitHub上の大規模コードベースを即時にインデックス化し、AIによるコード検索を高速化
その他詳しいリリース内容については March 2025 (version 1.99) にアクセスしてください。
今月のピックアップ
『エージェント機能で広がる開発の可能性』
Visual Studio Codeで提供されている「エージェント機能」は、従来のコード補完やチャット型の支援を一歩進めた、新しいAIとの連携スタイルです。この機能を有効にすることで、Copilotが開発環境やプロジェクトの文脈をより深く理解し、さらに高度な支援を行えるようになります。
たとえば、検索やナビゲーションを支援する「使用状況ツール」、外部のWebページから情報を取得できる「フェッチツール」、さらにはタスクの途中で思考のステップを挟む「思考ツール」など、複数のツールが組み込まれています。これらは必要に応じて自動的に呼び出され、ユーザーの作業をサポートします。
加えて、MCP(Model Context Protocol)サーバーを利用することで、AIが外部のツールやデータソースと連携し、より柔軟で文脈に応じた支援が可能になります。さらに、エージェントモードでは新しいワークスペースを自動で構成することもでき、開発の初期設定を手早く行えるのも大きな利点です。
エージェント機能は、単なるAIアシスタントではなく、プロジェクトに深く関与する「共同開発者」としての存在に近づいています。開発の効率化だけでなく、複雑な作業への対応力や発想の支援など、今後の開発スタイルを大きく変える可能性を秘めています。
おわりに
今月のリリースもAI機能が中心となっていましたが、特にエージェント機能の進化を見ると、AIが単なる補助ではなく、開発そのもののスタイルを変えつつあることを実感します。最近のAIとエディタの融合が進む今、開発環境や開発のあり方そのものが、大きな転換期を迎えているのかもしれませんね。